結論は経済的自立って大事だよね!だったって話
昨日、一昨日あたり、Twitterで回ってきた。多分バズったのはこの瀬川さんという小説家の投稿から。
インパクトのあるタイトルなので、そっちに引っ張られると思うが、文章の最後の方で主張されるのはこれである。
もうほんとに、女は職を、経済力を手放してはいけない。本当に。資産家は別として。
該当記事より。
雑音は聞かなくていい。自分の幸せは自分のもので、他人の幸せとは別もの。
自分にとっての幸せがわからないまま生きてる人も多いけど、わかった方が楽しいし。
それを知るために「絶対」ではないものの、あった方がいいのは「教養」と「経済力」だと私は思っている。
職もって自力で稼ぎ続けると、それ両方くっついてくるから…と思ってる。
普通だ。至って普通の結論である。これ以上ないくらいに当たり前のことを述べてくれている。強いていうなら「女は」とあるが、「男も」職、経済力を手放してはいけないぐらいである。これに関しても文章の前提条件が女にとって厳しい社会であるということなので「女は特に」というだけで本当に特段突飛な主張をしているわけではないと私は思う。
Twitterではやれ可哀想だ、酸っぱい葡萄だといった感想、意見もあるようだが、子供産まなくてよかったというのは文字通りただの感想である。この漫画面白かったと言っているのと大差ない。それに大して、「もっと面白い漫画があるのに知らないなんて可哀想」とか「VR世界で遊べないからってそんな次元の低い話をしても」と言っても詮無い話である。まぁ可哀想というのもただの感想なのでそれに突っ込んでる私も野暮でしかないわけだがw
いずれにせよ、この記事では子供は産まない方が良いなどという主張はされていない。あくまで私は産まなくて良かったと思ってるってだけであり、意見と感想を履き違えてはいけない。この記事を読んで、この記事は間違っている!絶対に産んだ方が良いんだ!いや、この記事は正しい!産まない方が良い!と声を高らかにあげる人は意見と感想の違いがわからない国語力0点のおばかちゃんである。
結局子供産んだ方が良いのか、産まない方が良いのか
せっかくなので子供を産んだ方が良いのか、産まない方が良いのかを考えてみよう。こいつ国語力0点じゃんなどと言ってはいけない。自慢じゃないが、私は国語で0点をとったことはない(授業中の小テストは除く)。「素」を「そ」と読んでいたり、いまだに「専門」に点がつくのかつかないのかに迷ったりするがそんなことは些細なことである。なんなら「些細」も書けない。
なお結論は99.9%ぐらい人それぞれ、自分にどっちが合っているか考えるべきとなると思う。なった(一応困る人用に最後にどっちが良いかも結論は出した)。あとここで考えているのは当人がどっちが幸せになれるかであり、経済学的にとか生物学的にとか宗教学的にとかの議論をする気はない。大谷翔平でサイアーラインを築くべしとか絶対言っちゃダメである。(ごりっごりの優生思想じゃん)
まず、是非はともかく社会の現状として子供を産まない女性は増えている。大体3割程度の女性が子供を産まないのではないかと思っている。本筋からずれるのでそう考えた流れは別記事にて記載。
その上で産まない側のメリットとして大きく挙げられるのが3つの観点。
- 時間的余裕の確保
- 経済的余裕の確保
- 精神的余裕の確保
3つ目は学校・世間・子育てコミュニティー(ママ友など)からの圧力を感じなくて済むという点と上2つが確保できる結果心理的余裕が生まれるという2点がありそう。いずれにせよ上2つに関しては間違いなく子育てする時よりできるもので、これ自体は疑いようもない。
問題はこれらが本当にメリットなのかということだ。
時間的余裕、金銭的余裕の確保はメリットか?
結論から言えば時間的余裕、金銭的余裕はメリットになりうる。一方でデメリットにもなりうる。それは時間的余裕、金銭的余裕の価値が異なること、最終的には体験する価値が異なることに帰着する。
時間的余裕
お互いになかなか相容れないものだと思うが、忙しいのが好きな人と、まったりとするのが好きな人がいる。私は睡眠はめちゃくちゃ取りたいし、休日は家でまったりとしたいし、ぼーっと過ごすのが好きなタイプである。しかし、大学時代にはこれでもかとバイトに遊びに部活・サークルにと予定を詰め込んでいる人はいた。旅行から夜行バスで帰ったその足で朝バイト、昼から大学、夕方にサークル、夜に飲みと梯子をする猛者なんかもいた。彼、彼女らは間違いなく充実した日々を送っていただろうし、そのバイタリティは間違いなく魅力的なものである。彼らはきっと社会に出ても成功するだろうと思ったものだった。というか自分が怠惰なのを実感させられて辛い。。。
忙しいのが好きなタイプは子育てで予定が詰まっているのを苦と感じづらい可能性が高いし、逆にのんびりした人はやる事に追われて辛いかもしれないということだ。
金銭的余裕
実際に金銭的余裕がどれほど欲しいかである。というか収入にめちゃくちゃ左右される。自分の収入と、どれくらい自由にお金を使いたいかによってこれがメリットになるかは変わってくるという話だ。以下単純な試算。
子供1人育てるのにおおよそ3000万円。私学ならピンキリだが1000万円程度上乗せ。非常にざっくりだが、所得税、控除、手当などを考えないとして、世帯年収500万でも、家賃20万生活費10万だとしても年360万、年間140万の余裕があれば大卒まで見ても140万×22年=3080万で、しっかり計画した上で子供1人ならまぁ、ギリギリやっていける。産休育休による減給などは考慮しておらず余裕があるとは言い難い。なんとかやっていける程度では精神的負担も大きく、不足の出費、事態にも対応し難い。出産を躊躇する理由になるだろう。
一方で夫婦が頑張って年収50万ずつアップできれば余裕ができる。年間240万の余裕となり240万×22年=5280万。少し余裕ができる。これ以降はそれぞれの年収レベルに合わせて、試算した上で自分がどれくらい好きにお金を使いたいかになってくる。
体験する価値
最終的に時間的余裕と金銭的余裕の価値を決めるのが体験する価値だと思っている。実際にものごとを体験すること得られる知見や満足感などを自分がどう評価するかである。
子育てをする場合、自由に使える時間と金銭が減ることは確かだ。その程度は差はあれ間違いない。
特に時間的余裕は時期によってはかなりなくなってしまうだろう。
つまるところ
- 子育ての方が体験したとき、した後に価値を得られる
と思うのならば、産めばいい。世間では徐々に減っているとはいえ7割以上の人はおそらく子育てを経験する。特に多くが子育てをする30〜40代においては強力な共通の話題を失うことになる。人間関係が QOLに大きな影響を与えることは言うまでもない。子育ての話題を得られる、共通の苦労を経験しているというのは1つの価値になりうる。人によっては、気配りができるようになるといった人間的成長につながる人もいるだろう。加えて、結婚してないの?子供いないの?と聞かれることはまだ往々にしてあるだろう。納得していたはずの親に後々になって孫の顔が見たかったと言われる可能性も十分にある。それらをどう捉えるかだ。
一方で、出産しないことで得られる時間を有効な体験価値に変えていける人もいるだろう。趣味を深めることができた。新たに事業を始めてしまった。あるいは単に好きに過ごせるのが楽しかった。3000万もの金銭的余裕があれば、海外を旅行したり、趣味グッズを投じたり、投資をコツコツと積み立ててより早くFIREを達成したりなんてこともあるかもしれない。
結局どっち?何が大事?
結局、自分が最も価値を感じること、ものが何なのかを見極めることが大切だ。金銭と時間は価値あることを実行するためのものでしかない。精神的余裕は瑣末なことで乱されることもあるが、大枠として自分のやりたいことができているかというのが大いに影響する。子育てで余裕もないけど、でもやりたいことがあるから年収を頑張ってあげて、さらに夜中にやりたいこともやるって人も数多存在するだろう。
それでも自分がどっちが良いかわからないという人。産んだ方が良いと思う。それが決められないぐらいに、自分がわからないのなら多数派にのって敷かれたレールの上を進むのは悪くない。どこに行くのか決められず、どこも行けなくなるくらいなら、さっさとみんなが乗ってる電車に乗って道中のおしゃべりや駅弁を楽しみながら目的地の情報を探っていくのも悪くないと思う。
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